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| パネルディスカッション 「水素医学の可能性を語る」 |
司会:それではお時間となりましたので、パネルディスカッション「水素医学の可能性を語る」を始めさせていただきます。それでは、早速パネリストの方々をご紹介さしてまいります。まず、日本医科大学水素分子医学開発拠点講師 町出充先生です。続きまして、臨床医の立場からH先生です。続いて作家で東北大学機械系特任教授 瀬名秀明先生でございます。そして、水素研究会会長で、長寿科学振興財団理事長の小林秀資会長です。続きまして、保健学博士で東京大学客員研究員の河合薫さんです。そして最後にこのパネルディスカッションのコーデネーターで日本医科大学大学院医学研究科加齢科学系専攻細胞生物学分野教授太田成男理事長でございます。それでは太田理事長、よろしくお願いいたします。
太田:それではさっそくパネルディスカッションを始めたいと思います。このパネルデイスカッションは表題にもありますように、水素医学の可能性を語るということで、様々な立場の皆様にお集まりいただき水素医学について議論を深めていきたいと考えています。それではまず、日本医科大学の町出先生にお願いします。先生は大学院時代の研究では活性酸素の作用の基礎研究に携わりその後神経細胞や肝細胞の疾患へと発展され、現在酸化ストレスに起因する疾患や障害に対する水素分子の効果に魅せられ、その作用機序を基礎研究、分子生物学的に解明されようとしています。水素分子が体に作用する仕組みということでお話をしていただきます。それでは町出先生、よろしくお願いします。
町出:ただいまご紹介いただきました町出です。私の所属する研究室は、日本医科大学老人病研究所の水素分子医学開発拠点、いささか長い研究室名でございます。一般に基礎医学の研究室というと、生化学講座とか法医学講座とか割とすっきりした名前ですが奇をてらってこういう名前にしたわけでありませんで、どの言葉もすべてキーワードとなります。本来でしたら、教授であります大澤郁朗がここにきてご挨拶をするべきところでございましたが、今丁度北米でアルツハイマー学会に参加しております。それで、教授の方からせっかくこういう機会ですから自分の言葉でご挨拶をしたいということで、ビデオを預かっておりますので、それを借りて研究室の紹介をしたいと思います。
大澤:日本医科大学老人病研究所、水素医学研究開発拠点教授大澤郁朗です。本日は水素研究会の発足にご参加いただきましてありがとうございます。残念ながら、本日はアメリカのシカゴで開催されておりますアルツハイマー病の国際会議に参加中で、本日はビデオでご挨拶をさせていただきます。シカゴでは水素分子の認知症などの脳神経疾患の予防と治療について水素分子の可能性について発表しております。私たちの水素分子医学はこの四月に開設した新しい研究室です。日本医科大学老人病研究所のブルーマーキュリー株式会社の寄付研究としてスタートしました。現在はスタッフ三名の小さな所帯です。水素分子医学では水素の医学への応用を目指して、第一は水素分子が細胞レベルで作用するメカニズムについて反応化学や、微生物学、生化学、分子生物学などの手法を用いて解明いたします。第二には水素分子が個体レベルで作用するメカニズムについて、動物実験及び人への臨床試験を進め生理学、病理学、精神神経医学などの基礎的な手法を用いて解明をいたします。第三には世界中で一斉にすすんでいる水素分子の医学への応用についての拠点として情報の収集と科学的に信頼できる情報の発信基地としての役割を担います。 水素医学講師の町出充ともども今後ともよろしくお願いいたします。
町出:私、いまご紹介されたとおりの所属でありますが、発令はついこの間七月一日で、それまで大阪大学の医学部の分子再生医学という部屋におりました。そこでは、内因性の修復因子、たとえば肝臓なんかでは傷ついても非常に盛んな再生因子ですぐ回復するのですが、それをつかさどるタンパク性の因子が肝細胞の増殖をしている。そこの研究室では医薬品のシーズ(種)として、因子を考え、ベンチャー企業を立ち上げて、盛んにいろいろな活動をしています。けれど、そういう研究室レベルのシーズというものはなかなか医薬品になるまでに、非常にいくつもの壁があるということをそこで経験しました。太田先生と大澤先生がこの水素の効果を発表されているのを学会で見たのが三年前ですかね。その時にあっ、これは病める患者さんに届くまでには非常に障壁が低いものではないかと、その効果はさることながらそのように感じました。で、それは先ほど太田先生が説明しましたように、いろんな研究室レベルのシーズを人に与えようとする副作用があるということがありますけれど、活性酸素の中でも一部の物に特異的であるということさらに、投与しようとしてもなかなか細胞の中に取り込まれないということがあるのですけれど、これはすみやかに細胞の中に行くということでシーズとしては非常に優れた性質がある。それに魅せられて私の方から声をかけてこの研究に参加させていただきました。 それで、こちらに慶応の林田先生もいらっしゃいますが、臨床の方にも今発展しております。我々の守備範囲というのはどういうところかというと、先ほど太田先生からありましたメカニズムですね、インプットとして水素を与える、アウトプットとして病気が緩和されたという、その間にどういうメカニズムがあるか、ということを細胞レベル、生化学レベルで明らかにしようとしているのが我々の研究室の守備範囲だと思っております。
太田:どうもありがとうございました。続きまして作家の瀬名先生にお願いしたいと思います。瀬名先生は小説「パラサイトイヴ」で第二回日本ホラー大賞を受賞され、そこで、大学院の時でしたが作家デビューされ、現在は東北大学機械系の特任教授として、また小説のほかにもサイエンスライターとして活躍されております。文芸誌や科学誌で科学と人間に関してコラムの執筆も多数執筆し、対談等も多数行っておられます。先生には新しい研究分野への挑戦とはというタイトルで話をしていただきたいと思います。それではよろしくお願いします。
瀬名:はい。太田先生ありがとうございます。今日は「新しい研究分野への挑戦とは」ということで五分間話をさせていただきます。はじめに申し上げますと、私は水素医学の研究者ではありません。ですから今日は、研究者の方々が、あるいは企業の方々が、これからどう水素医学の分野を実際に広げてゆかれるのか、そのお話がうかがえると思ってわくわくしながらここに来ています。私は中立的な立場からお話をしたいと思います。太田先生とはじめて直接お目にかかったのは、確か『パラサイト・イヴ』の映画の時だったと思いますね。そのとき太田先生にいろいろアドバイスをいただきながら一緒に映画を作りました。その前から太田先生のミトコンドリアの論文はよく読んでいたのですけれど、そこで知りあって『ミトコンドリアと生きる』(後に大幅改稿して『ミトコンドリアのちから』)という本を一緒に書かせていただきました。
この本を書くとき、太田先生に関してどんなことをいちばん読者に伝えたかったかといいますと、研究者としての「眼力」というか、そういうものなんですね。今日の太田先生の基調講演で、水素分子の実験を開始して3日目に撮影したという細胞の写真がありました。水素を含んだ培養液ですと普通の通常の細胞の形をしていたのに、そうでないのは「とげとげ」が出てきた、そのとき早くも3日目にして、太田先生はプロフェッショナルな科学者の目で、この研究はいけると確信した、というお話でした。僕はそういうのを聞くとわくわくしてきまして、作家としてもそういうところを読者の皆さんに伝えていきたい、と思います。しかしこれも太田先生が基調講演でおっしゃっていたことですが、そういう科学者としての直観を、今度はみんなに納得してもらうまでが非常に難しい。どういう風にそのプロフェッショナルな眼力を一緒に共有できるか、これが研究を理解してゆくにはとても大切で、やはり一つ一つ目に見える結果を研究者に出していただいて、それをうまい伝え方で共有してゆくことが非常に重要だと思います。今日の太田先生のご講演では、細胞を蛍光色素で染めて目で見えるようにして、細胞の色をみどりから赤に変えてみたり、いろんなことをして、科学者の眼力を視覚化して、我々と共有しようとなさっていました。
ではそこからさらに、どのようにして広げていけばいいのか。新しい分野を広げていく時にどうすればいいのかということです。僕が思うに、いろいろな研究分野にそれぞれの眼力の持ち主がいますね。たとえば物理や工学の分野から水素分子の動態に関していろいろな知見をお持ちの方がいらっしゃると思います。そういう方から見て、じゃあ私たちが体の中に水素水を取り込んだ時、どういう挙動を示すかということを、そういう専門家の方々の目を通して知見を共有してみたいわけです。今日はメカニズムの解明についてお話がありました。僕も基礎生命科学の出身ですけれど、なぜ効くかというメカニズムを解明するためには、いかに精密に測定するか、そういった新しい測定法や装置の開発も必要なのですね。これまで科学技術というものは、そういう計測技術の発展と原理の解明が二人三脚で発展してきた経緯があると思います。ですから今後そういった計器、計測機器といったものを開発しながら、水素水の研究をこの研究会で取り込んでいただけるといいのではないかと思います。
もう二点、お話します。研究者はおそらく今日、こういうところに出てきますと、水素水は安全かどうかということを話すのだろうと思います。「安全」とは何かとあらためて考えますと、僕は「信頼」と「安心」というもののバランスで成り立っているのではないかと思うのです。「信頼」というのは、たとえばこの会社はちゃんとしっかりした製品を出しているだろうか、クレームにも誠実に対応してくれるだろうか、国が定める基準を満たしているだろうか、ということだと思います。一方の「安心」というのは私たちの心の中の問題ですけれど、国のルールの問題でもあって、たとえば何かいけないことをしていたらその会社はしっかり罰せられるような社会であるかどうか、ということもあると思います。研究者たちはその二つのバランスをよく考えながら話をすると思うのです。会場にいらっしゃるみなさんは、そのバランスをよく聴いて判断していただきたい。「信頼」と「安心」を自分の中で納得した上で、健康に気を配る、そういうあり方が望ましいと思うのです。
もう一つ言いますと、研究者というのは、こういう結果が出てこれが素晴らしいんですよ、というだけでなく、こんな謎が新たに見つかったんですということをみんなに伝える職業でもあると思うのです。小説もそういうものだと思うのですけれども、面白い小説を読んでたとえばホッとしたいとか、ハラハラしたい、すっきりしたいということもあるのですが、それだけではなくて何か新しい自分の人生の糸口を見つけたい、考えるきっかけが欲しい、といったところに小説の役割が求められる場合もありますね。まさに科学も同じなのだと思います。リチャード・パワーズというアメリカの作家がいますけれど、彼は物理学の出身で、科学にも理解があります。彼はこういうことを言っています。
「優れた科学者は、専門分野を、深めるより拡張する。一般人は科学者に謎の回答を求めるが、彼こそが新たな謎を世に示す張本人」(朝日新聞2006年4月11日の記事より)
多くの人は科学者に謎の回答を求める、つまりこの場合ですと水素水は効くかどうかということですが、一流の研究者というのはむしろ新たな謎を多くの人に問いかける、そういう人なんだと言っています。水素分子がこんなにも面白い挙動を示している、医学に貢献できるかもしれない、というのは、新たな謎の提出ですね。これは科学ですから、効くか効かないか、それはこれから少しずつ調べてゆくことなんです。むしろここで出てきた謎は面白いんだぞ、と提示する、そういう一流の研究の芽がここにある、そのことがとても大切だと思うんです。
ですからこの水素研究会がもっと広まるためには、「安心」や「信頼」、「安全」というだけでなく、水素水の研究はこんなに謎を秘めていて、若手の研究者をわくわくさせていくんだということをぜひいっていただきたい。
僕は科学者の人たちが未来についてどのように語るかということに興味があります。自分の研究でどういう未来を創るかということは、多くの研究者は本音でなかなか言わないところもありますけれども、この場ではぜひ語っていただいて、ぜひうかがってみたいということです。
「新しい研究分野に挑戦するということはどういうことか」ということについて、僕の考えを述べさせていただきました。ありがとうございます。
太田:大変貴重なご意見をありがとうございました。瀬名さんの話を聞くとわくわくするような思いがします。では続きまして、テレビをはじめ様々なフィールドでご活躍されている河合薫さんにお願いしたいと思います。河合さんには水素、あるいは水素医学を啓蒙するにあたってどのようなことに留意したらよいかというようなことをジャーナリスティックな視点からお話ししていただけたらと思います。水素医学を正しく伝えるには、というようなことをお話ししていただけたらと思います。
河合:皆さんこんにちは。河合薫です。そうですね、私は水素医学を研究する研究者ではございませんので最初は気象予報士という、まあ、メディア側の人間として人間の心と体にお天気が与ええる影響というのを勉強しながらテレビやラジオ、あるいはコラムなどでアウトプットしていました。現在もそれの延長線上に今がありまして、人間の体や心に影響を与えるのはお天気だけじゃないだろう、働くこと、あるいは人間関係あるいはそれ以外の主に社会的要因ですね、そういったものがもっと影響するのではないかということを思うようになり、2002年から東大の大学院の修士課程の方に入りなおしました。そして、おととし博士課程まで終了し、今はある意味研究者という側面も持ちながらマスコミでの活動を続けています。そういった二つの経験から水素医学を正しく伝えるにはということを考えますと、メディア側の方に大きく寄っている場合と、研究者としての顔がある場合とおおきくちがってくるのですね。たとえば私がこの水素水、水素研究会のお話をいただいたときにパッと何を思い浮かべたかというと、マイナスイオンと同じようなものかなということを思い浮かべてしまったのですね。 マイナスイオンに関しての経験をお話します。私がウエザーキャスターで先ほど人間の心や体に影響を与えるお天気との関連についていろいろ勉強してアウトプットしてきたということを話しましたけれど、これは生理気象学という分野でして、たとえば雨上がりの翌日というのは非常に気分がいい、あるいは滝の近くに行くとなんだかリラックスする、これってなんだろうというようなことを探って行くわけですね。それを番組の中では、行きつくところは、マイナスイオンがそこにはたくさんあるからだ、と単純な話にしてしまいました。そうするとマイナスイオンを研究している先生の所に取材に行きます。そうすると、その先生というのは、実はマイナスイオンというのが空気中にはあって、それは人工的に発生することができるんだよということを切々と語ってくれるんです。この部屋にはマイナスイオンがたくさんあるから入ってみなさいよ、リラックスするでしょうなんていうことを言われるわけです。カメラを回して、私たち自身もその中に入ってみますと、そういう風に言われると、私たちはあくまで取材する立場ですから、ああ、マイナスイオンですか、何となくリラックスしてきました、なんてことを言ってしまうのですね。と、先生が実際にマイナスイオンを使って私は治療をしているんですよ、ここにこういう研究結果があって、ここにこういう患者さんがいるのですよというようなことを聞くと、ああそうなのか。これはいいことを聞いた、という風に聞いてしまいます。今度それを自分が、ある意味研究者の先生から聞いて勉強したことを、それをメディアという媒体を使って、テレビ、ラジオなどで発信していくわけです。そうするとどうなるかというと、マイナスイオン、体にいい、リラックスする、という言葉だけが独り歩きするようになるのですね。 これは私がメディア側の人間から言う立場でありまして、研究者の立場ではいろいろな制限を付けて、可能性があるとか、こういったときにこういう効果があるとか、いろいろな条件の制限をつけていくことになります。しかし、メディアはそういったややこしいことが大嫌いなんですね。ですからわかりやすい言葉で一言で言いたいと、そうなると、マイナスイオンは体にいい、リラックスするという言葉が独り歩きするようになってしまいます。たとえば私がその中で一言言った言葉がありまして、豪雨の後は告白日和だ、というようなことを言ったのですね。そうしたらいろいろなところでその言葉が取り上げられて、それで取材に来る、どういったことかというと、豪雨が降った後、というのは空気中にマイナスイオンがたくさんある、だからそこで告白すればリラックスしているからうまくいくはずだ、というようなことを面白おかしく伝える。そうするとそれが独り歩きしていくことになります。実際そういったことがございました。 ところが今、自分が研究者のはしくれとして、自分が研究したことを伝えていくという立場に立ちますと、なかなか言葉の独り歩きというものが非常に怖くなってくる。その一方で研究しているところには宝物がたくさんあるのですね。たとえば私は今ストレス研究ということをやっておりまして、人間の心と体に与える社会的要因ということを研究しているのですけれども、その研究する過程で、ストレスマネージメントプログラムというものを作りました。 実際にそのプログラムを使ってそれが効果があるかどうかということを検証します。その検証したものを先ほどの太田先生の方からも実際にエビデンスのとれた確固たる研究とはどういったものかというお話がありましたけれど、私自身も実証研究を行ってそれを国際ジャーナルに投稿していくのですね。もちろん審査員がいるところに投稿して、そこで何度も審査を繰り返して、この実験はおかしいだろう、こういうことをやりなさい、この理論はもう少し深めなさいというようなことを言われてどんどんやっていく。そうして一つの論文としてできた時にエビデンスのとれたストレスマネージメントプログラムというものが誕生する。それでいて、その実証研究で行っているのはある一定の人たちにそのプログラムを受講してもらっただけであって、日本人一億二千万人、すべての人に受講してもらっているわけでもなく、あるいはその人の受けた環境によっても効果が違ってくるだろうし、実施論文にはそういった前提条件がいくつも細かく書いてあります。でもそれをテレビやラジオで伝えるときにどう伝えるかというと、私の作ったストレスマネージメントプログラムを使うと効果が出て抑うつ傾向が治るんですよ、ということをポンと言ってしまう自分がいる。そこに気をつけなくてはいけないなと思うのですね。ただし先ほども何度も言っておりますけれども太田先生のやっておられます水素医学、町出先生、林田先生都下のやっておられます水素研究というものは非常に可能性を秘めたものであると思います。それを、ラットの、マウスに対する研究だけではなくて、ぜひ人間が元気になってくためのもの、実際に実用ができるものになっていくでしょう。ただし、その時に言葉だけが独り歩きしないだけのエビデンスのとれたものを作って、しかもそれが水素ってなに?として一言で定義づけられる一般の言葉としての言葉を新たに研究者として作りだす、ということをぜひ今後期待したいと思います。 私のストレス研究という分野では、私は気象予報士でもありますので、ストレスというものは人生の雨だとよくたとえているのですね。要するに世の中ではストレスというものは悪い、ストレスをなくそう、なくそうという風潮がありますけれど、実はストレスというものは人生の雨だと、世の中でも雨が降ってこないと雨乞いをして、雨よ降れ降れ、植物も助かる、水もなくなって人間も枯れてしまうだろう、だから雨よ降れ降れという。人生もストレスも全く一緒です。ただし雨が降っているのに傘もささないでいると風邪をひいてしまう。だから 傘をさす、人生のストレスに打ち勝つには傘を増やしていけばいいんだよということを、私は自分の研究したことを確固としたエビデンスにしてずっと啓蒙活動をしているのですけれど、その中の一つの傘として、水素というものに可能性があるものなのかどうなのかというところが私自身も非常に興味のあるところですので、後ほどディスカッションの中でも教えていただきたいと思っております。
太田: どうもありがとうございました。大変面白い話だと思います。最後に本法人の水素研究会の会長で長寿科学振興財団の理事長であり、元厚生労働省の局長である小林先生から、水素医学に期待する夢について話していただきたいと思います。
小林:小林でございます。さっきから三回も舞台に出てきまして四回目になりました。だんだん声が出なくなってきたのですが、少し力を絞って頑張りたいと思います。まず、今日本の人で一番命を落とす病気は何ですかといったらわかりますよね、がんですよね。がんで一番たくさんの方が亡くなる。そのがんの方に水素水を使って治るだろうか、ということが実はこの水素水を知っていらっしゃるお医者さんたちが、何人もががんの末期患者に水素水を与えていらっしゃるのは事実です。これは主治医のお医者さんの判断で患者さんの希望にあわせてやる。こういうことでやっています。実は私ども飛騨の国で作っている水素水をアメリカに送りましたところ、アメリカのドクターがもうがんであと三日くらいで死んじゃうという方のところに水素水が届いたのです、そうしたらドクターがすぐつかったらそれから何と二週間以上生きちゃったのですね、それから。日本では多くの末期がん患者の方が水素水を飲んでいらっしゃる、ただしここからがむすかしいのです。飲んでしばらく、ああ、長生きできたなあというのはいいけれど、結果としてはどうもほとんど助からない。データをきちんと追っかけているわけでもない。だけれども、水素水を飲んでいる患者さんがそのために命を短くしたことはほとんど聞かないですね。みんな、長くする方に働いている。しかし問題はじゃあ、がんの患者さんに一日どれだけ飲ませたらいいかという答えがまずないのです。だからまだこれからたとえばがんの末期患者に水素水を飲ませるにしても、一日量どの程度、もちろん水素水の濃さも、濃さもなおかつ量の問題もある。でその答えもまだださなくちゃならないという風に、問題がある。その上大変大事な問題は、がんの末期患者さんに使うとしても、あくまでも主治医さんが、もう自分のやっている治療ではこの患者さんが助からないというところでご判断がないと主治医さんの協力は得られないのですね。ということは、がんの末期患者さんに使えば、本当はそれよりもっと早く使えば効果があると現在推測ができるのだけれども、それが、まずはがんの患者さんをまずは治療をきちっとしたいと、通常の治療をきちっとやっていくと、それでもお医者さんも患者さんも患者さんの家族ももうさじを投げたという時に初めて水素水の治療が始まるというのが今のところの実態なんですよね。そういう実態、それでもたくさんの症例が、あつまり、それも、飲む量が必ずみんなでルールを決めた量を飲ませる、そしてそれが大量にやれば、これは純粋なる疫学として、英語でいうとエビデミオロジーとして証明できる方向を検討していかなくちゃならない。私は実験の結果を見せられた時に患者さんにも水素水といって飲ませるのと、水素水といって飲ませるけれど、実は水素の入っていないものを飲ませるのと二つに分けて実験ができれば、これは割に簡単。しかしみんな歴史のあるがん治療で、そこのところをやめて、私も水素水を飲みたいと言われた時になかなかこれも疫学の証明も難しい。ただだけれどもそこを何とか越えられないのかというところが、私が希望しているところです。世の中には基礎実験というものがある、しかし疫学というエビデミオロジーという統計の手法がある。それを勉強し皆さんでグループを作り相協力してやれば、たぶん疫学の方で証明ができるのではないか。本当は一番いいのはがんの初期から水素水を使えればもっといい。だけど今のところは、がんの方はがんの主治医さんがいらっしゃって、そちらの方の先生のご了解が得られないとできない。という意味では、がんの治療において、末期治療なら使えそうだと今のところ思うのだけれど、なかなか難しいなあと思っています。もうひとつ、じゃあ、諦めるかというと私はそうでなくて、同じように患者さんのある病気を特定して、水素量をどれだけ飲むかを決めて、そして飲んでもらうと、効いた場合は大変いいことだ、その実験も私はうまくいきそうなのは、がんでも前立腺がんやなんかならうまくいく可能性があるのではないか。前立腺がんというのは、今ではすごく治療が進んでまいりまして、もうほとんど手術はしなくなりました。今では放射線の針を前立腺の中に打ち込むのですね。こういう治療を今はやっていまして、今は死亡率がずっと下がってしまっている。だから逆に言うと、前立腺がんの場合には水素水を与えることができる。それも統計をきちっととって、形を取って、ああ、これでがんにはならずに済んだと、いうことができれば最高にいいのではないか。そういう意味では今日の医学研究の中にエピデミオロジーという学問がある。それを活用することによって治療法をきめる、全体の研究計画をたてて対策をする、という風にわれわれは研究を進めなくてはいけないのではないかとこんな風に思っています。 しかし、この水素水の中ですぐ直りますという病気もあるのですよ。今まで難しい病気の話をしたの。いちばん簡単なのは火傷(やけど)です。やけども一度二度三度と火傷の度数にもありますが、表面の皮が残っている、どちらかというと軽い方の患者さん、それから例えばすごい日焼けをして真っ赤にはれてしまった、こういう人たちならば患者さんが自分で実験がやれる、水素水を塗って、ガーゼを、あるいはガーゼの上から水素水をぽたぽたと落としてやる、私はこれで必ずやよくなると思います。溶接をやっている人は、グラスをかけて溶接をやっておられますが、この方々は頻繁にやけどをするんですよね、眼は守るのですが足のへんに、やけどをしてします、その患者さんが水素水を使ったら、きれいになってしまった。それで、水素水というものか必ず効果があると思います。 ただ、がんは前にの話したように非常にまだ難しいかもしれないけれど、日本では、うまくいきそうだなあというので全国のお医者さんがチャレンジしようとしているのは、どうも私が聞いた限りでは糖尿病の患者の治療です。糖尿病の患者さんに水素水を与えようという、こういう実験が私の耳に入っていることを私の口から報告をします。そういったことから、太田先生をはじめ多くの先生の基礎研究の中からがん治療に使えることがわかるのが、一番いいでしょう。しかし、私は疫学研究や数多くの臨床の結果を持って、水素水の効果を試して行くのも大切ではないかと思います。ご静聴ありがとうございました。
太田:どうもありがとうございました。全体をまとめるのは非常に難しいのですけれど、皆さんの話でひとつは証明することの難しさ、何となく効果がありそうだけれども証明することが、まあ、たとえば論文にすることも難しい、たとえば、主治医が何人か言うだけでは証明にもならず、まあ、その人には聞いているだろうけれど、厳密には証明にはならない。もう一つは伝える難しさ、たとえば二三名で効果があった場合には、効果があると体験談としていうのはいいですけれども、なかなかそれを言いきれないというむずかしさ、また、それを言いすぎてしまってもいけないという難しさ、水素学の現状と状況をみなさんうまく話していただいたと思います。たとえば私も、こういうところで話していても、わかるやすくしようと思って正確でなく話してしまいますし、正確に話をしていこうとすると難しい話になってわかりにくくなってというジレンマを持っているわけです。研究が進めば進むほど、簡単に明確に説明できるようになるのではないかと思いながら研究をすすめているわけです。まず、瀬名さんから、今の話等どういう風に聞かれましたか?
瀬名:疫学はやはり重要だと思います。疫学と基礎医学の両輪性、大変なことだと思います。小林先生の話に僕は感銘を受けました。ぜひ他の先生方にもうかがいたいのですが、今後の水素研究を発展させていくにはどういう風にしていったらよいか、どのように医療に応用していこうとお考えでしょうか。
太田:河合さん、何か新たな質問とか?
河合:私は水素の専門家ではございませんのでちょっと質問したいのですが、先ほどマイナスイオンの話を出したのですが、マイナスイオンをいいんだよ、いいんだよと私が言ってしまって、今思うとちょっと怖かったなあと思うのは、今になってあれだけマイナスイオンの商品というものが出たけれどもマイナスイオンのしっかりとした定義がなされていないのです。それと実際マイナスイオンを空気中の負のイオン、マイナスイオンと定義するならば、そんなに空気中に長いことは存在することはできないそうです。そういったことから考えるとマイナスイオンはいいんだよ、いいんだよということはおかしかったということになるのですよね。水素というのは、やっぱり水素の専門家でないとよくわからないので、先生方に教えていただきたいのですけれども、太田先生は先ほどから何度も基調講演でおっしゃっているのですが、水素水というのは定義するのは一体何なのか、それが一つ目の質問です。それと、もしもこれが水素水だとすると、これはずっと水素水なのかと、ふたを開けたとたんに水素がなくなってしまうものであれば効果はないということですね、それはどうなんでしょうか。三つ目は先ほど小林先生からもがん治療に効ということがありましたけれど、じゃあそれは、がん治療初期の人に投与すればもっと効いたということがありましたが、健康な人が飲んだ時にはどうなのか何かを予防することにつながるのか、この三点について教えていただきたいと思います。
太田:そうですね。これは私への質問ということでちょっとお答いたしますが、まず水素水というものは水に水素分子H2を溶かしたものですね。水素分子というものは量ることができるものです。どのくらい入っているか、二倍入っているか、三倍入っているか、十分の一なのか、定量がちゃんとできます。
河合:じゃあ、たとえば水素水、これは水素水ですよと言っている水があって、こちらにはただの水があってミネラルウオーターがあってこれらを正確に比べれば重さとかで比べることができるのですか
太田:水素を測る方法は、いくつかあって、私たちは三つの方法を持って確認しているのですね。ですから水素研究会ではこの水素水はどのくらい水素が入っているよということをちゃんと調べてようとしています。 例えばこれがこのペットボトルに入った水が水素水だというと、いんちきだということがすぐわかります。というのは水素にはペットボトルを通過する性質がありますから、いつまでもここに水素があるわけはない。ですからアルミ缶とかアルミパウチとかに入れて保存するということをメーカーが非常に苦労しているのですね。ですから、ちゃんと水素を保つことができるということでちゃんと水素水を製品化することができたということですね。ただし、栓を空けると水素はしばらくたつと抜けてしまいます。 それから健康に対していいかどうかということに関しては、薬事法で効果効能はいうことができない、ということからなかなか言うのが難しいのですけれど、共通する現象としましては水素水を飲むとおしっこに行きたくなる、というのは大体共通することですね。それからよく消費者の人から質問を受けるのは汗が出やすくなる、汗が出やすくなるのはなぜですかという答えとしては、健康な人でも基礎代謝を上げるのではないかと思われます。私も色々自分で実験をしているのですね。たとえば水素水を飲んでサウナに入ったらどのくらい汗が出るかとかですね、なかなか科学的根拠としては言えないのですが実感としてはあるぞと私は思っています。できるだけ数を増やして、そういうエビデンスを取りたいと思っているのです。小林先生の言った疫学研究というのはまさしくそういうことで、数を持って証明していくことが重要ですね。という重要性ですね。それから医学的な応用をするときも順序というものがあるのですね。そういう順序とぃうものを間違えると途中でこけるという危険も感じますので、そういうこともきちんと考えないといけないのではないかと思います。それも情報の発信の仕方と非常に似たようなところがあると思うのです。
河合:あともうひとつよろしいでしょうか。今日は会場に女性の方も結構いらっしゃっていますので女性を代表して質問したいのですが、例えば商品となったときに女性が飛びつくキーワードとしてキレイになるというのがあるのですが、水素水はきれいになる、今日は先生方のお話からも一つもそういうことは聞かれなかったのですが、きれいになるものなのですか?
小林:私の家内は毎日お猪口に半分くらいの水素水を私が飲んでいるのでそこからちょこっと持ってきて、顔につけています。水素水と保湿剤だけの化粧でずっとやっていますね。だからほかの乳液だとか何も使わず、まあ、そういうわけでは家計を助けているのですけれど。亭主が金遣いが荒いからかもしれません。シミ取りには結構効いていると自信をもっています。だから今、室田のところの若い人が化粧水を、水素水をベースにして化粧水をつくっておりまして売っているそうです。水素というものは皮膚を通って行くのですね。水素というものは中に入っていくというところがすごくいいところであります。
質問:水素をお風呂にいれて使うと、皆さん肌がつるつるしてくると聞いています。
質問:水素の効果についてメカニズムについて質問します。水素は水素分子そのものが反応するので、水素イオンとしての作用は考えなくていいのでしょうか?
太田:100%まだ説明ができているとは言えないのですが、ヒドロキシラジカルというものが水素分子がぶつかることによって消去するということがわかっています。それは水素イオンではなくて水素分子です。
質問:スポーツ科学についてはどうでしょうか?
太田:私たちはもちろんスポーツ医学に対する興味はもちろんありまして、いくつか数の少ない例は実施しています。私たち自身も自転車をこいだりとか、脈を測ったりというような実験はしていますが、まだ100人とか多い人数はしていないというのが現状でして、そういう意味では病気と同じように疫学的に統計的にきちんと研究を進めていかなくてはいけない、まだそこまで至っていないということです。ここでパネリストの方でひとつだけ聞いておきたいとか、言い足りなかったとかいうことがありましたらお願いします。
瀬名:今日のシンポジウムですが、ぜひ議事録をウェブサイトに出していただいて多くの人に見ていただきたいですね。いろいろな人がこの水素水に興味を持っていると思うのです。どういうメカニズムか、これからも解明を続けてゆくということでしたが、いまここまで議論したことを、多くの人が無料で読めるようにしていただけると、理解も広がるのではないかと思います。それから河合さんが、これ本当に水素が入っているのですか? どのくらい入っているのですか? とおっしゃっていましたが、そこは非常に重要なポイントだと思うのですね。そこをぜひわかりやすい説明とデータで多くの人に提供していただけたら、「信頼」と「安心」につながると思います。この水素医学は、水素分子という小さな物質と、私たちの健康がどのように直結しているかという、科学的にも重要な領域だと思いますので、ぜひ解明していただきたいと思います。
太田:ありがとうございました。最後に瀬名さんがまとめてくださったように、情報の発信ということが研究者の重要な役割ですので、ぜひやっていきたいと思います。パネリストの先生たち、どうもありがとうございました。ご静聴ありがとうございました。 パネルディスカッションを終了します。
(注釈:パネリストとして臨床医のH先生にも参画いただきましたが、H先生の話をインターネットで公表すると発言の一部だけが一人歩きし、臨床の現場が混乱する可能性などを考慮して、今回H先生の発言は削除することにしました。ご了承ください。)
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