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水素研究会発表会

        
基調講演
素医学の現状と水素研究会の課題」とテーマとして、水素に関する最新データの結果や水素研究会のこれらの方向性について太田成男理事長が講演しました。
皆様、本日はお忙しい中、水素研究会の発足シンポジウムにおいで下さいましてありがとうございました。理事長の太田でございます。今日は水素医学の現状と水素研究会の課題というタイトルでお話をさせていただきたいと思います。学者の特性で専門用語等が時々交ってしまうかもしれませんが、そういうところはあまり気にせず聞いていただきたいと思います。

 私はもともとミトコンドリアという細胞内でエネルギーを作っている細胞内の場所の研究をしていたものです。昨年、今日のパネリストであります瀬名秀明さんと「ミトコンドリアのちから」という本を出しましたように、主にミトコンドリアに関連した研究をしてきました。

 ミトコンドリアが、老化と関係があるということが近年わかってきました。この図は日経新聞の記事を拝借したものですけれども、なぜ人は老化するのかということを簡単に書いてあります。ここに老化の様子が書かれており、ここにミトコンドリアとの関連が出ています。ミトコンドリアから活性酸素が発生していまして、それが遺伝子を攻撃しているという図です。活性酸素が、遺伝子を攻撃していて、これが老化の根本原因なんだということが端的に書かれています。私たちはあまり断定的に言うということは好まないという性質がありまして、ああでもない、こうでもないということが多いのですけれども、新聞記者の方はポイントをうまく突いて書いているなと感心している次第です。DNAの傷が重なると、がんや動脈硬化や肌のしわやたるみが生じると、そういうことが書かれています。

 活性酸素というのは後で少し詳しくお話します。活性酸素が発生するときと関与する疾患を挙げますと、がん、動脈硬化、神経変性種、アルツハイマー(認知症ですね)それから白内障ですね。短期間では、炎症により活性酸素が発生し、組織を傷害します。また、血液が止まったり、流れたりするということが悪い状態でありまして活性酸素が発生しやすい。例えばストレスなども活性酸素が発生しやすい状態に属します。このように活性酸素というものがいろいろな病気と関係しているということがわかってまいりました。ちょっと考えますと、同じ原因がいろいろな病気の原因になるというと少しおかしいのではないかと思われる方もいらっしゃると思います。しかしこの活性酸素というのは遺伝子やたんぱく質を攻撃するわけですから、いろいろな病気の根本原因になっていると考えればそんなにおかしな話ではないわけです。また学会等でも活性酸素の重要性というものはいろいろなところで指摘されるようになってきまました。活性酸素がどうやって発生するのかということですけれども、これは一番多く発生するところは私の専門のミトコンドリアです。ミトコンドリアは何をしている所かといいますと、電気エネルギーを化学エネルギーに変えるということです。エネルギーにもいろいろありますけれども、体の中ではいったん電気エルギーを作りだしそれをうまく利用しているということです。それをやっているのがミトコンドリアなのです。しかしその電気エネルギーというのがどれくらい強烈なものかというとたとえば1cmにどれくらい電圧がかかっているかといいますと、210,000Vというくらいの電圧がかかります。これは非常に高い電圧でありまして、ふつうは放電してしまいます。体の中でもやはり放電が起きます。放電というのは何かといいますと、電子の漏れでありまして、この電子が漏れたものが酸素と結合することによって最初の活性酸素が発生します。それがいろいろ変化して、だんだん強力な活性酸素は生じるわけです。したがって我々の身体内でが活性酸素を作ってしまうというのは、我々の体を動かすエネルギーを作っているその副産物として必然的に作ってしまうということになるわけです。そこで私の研究内容と活性酸素が関連してきまして、活性酸素をどのように研究したらよいかということを日々苦労してきたわけです。

 次にお話しするのは水素とは何かということです。水素研究会でお話しするのはH2水素分子です。後で水素の名のついているほかのことについてはもう一度話を繰り返すことにします。水素分子は普通に言う水素ガスのことでありまして、水に溶けないものだという方が非常にたくさんいらっしゃるのですけれど、水素分子というものはちゃんと水に溶けます。濃度で言うとちょっと専門用語になりますが0.8mM(ミリモラー)ほどになります。たいていの方は酸素が水に溶けるということをご存じだと思います。たとえば魚は水の中で暮らしていて、呼吸をしている、それは水にとけている酸素を取り入れて呼吸していることからもわかると思います。水素は、酸素に比べると酸素の半分以上はとけるので、よくとけるといってもいいと思います。

 酸素と水素の出会いについてはいろいろな方が誤解をされています。たとえば、水素と酸素を混ぜるとそのまま水になってしまうと考えている方が実は非常に多くいらっしゃいますね。そうしますと水素を体に取ったら酸素不足、つまり酸欠になって体に悪いものではないかという風によく言われるわけです。ここで触媒学会のホームページから一つ転載させていただきますが、ここに赤で書いてあるのが、水素と酸素の混合をガラス容器に入れて200度Cに加熱しても何の反応も起こりませんと書いてあります。反応が起きるのは触媒というものがあるときだけですよと書いてあるのですね。実は昨年、別の講演会を開いたときにこの触媒学会の記事を引用させてもらいました。その時は水素と酸素を混ぜても20億年たっても水になりませんと書いてあったのですね。その後に同じホームページを見ましたら、20億年かかるというのは消されていて、200度Cでも反応しないと書き換えられていたわけです。20億年というのはどうやって証明するのだという質問がきたのかもしれません。多分私がいろいろなところでそのような話をするので触媒学会としてもあわてたのではないかと思います。じゃあ、200度Cでも反応しないといっておくことにしようということになったのではないかと思うのです。つまりここで理解してほしいのは水素と酸素を混ぜてもそのままでは水になりませんよということです。酸欠になりませんよということです。

 ここで、抗酸化剤としての水素ということを話したいと思います。水素は最も小さい分子です。The simple is the best.もっとも簡単なものが一番いいのだ、というような話です。ここで示しました写真は私にとって記念になる印象深い写真です。これは水素の一番最初の実験の結果を示した顕微鏡写真です。この写真のこの部分が1個の培養細胞です。この写真では非常に細かいところまで見ることができます。これは特別な共焦点レーザー顕微鏡という最新型の顕微鏡で撮ったものです。ここで細胞内で活性酸素を発生させた細胞の写真です。細胞内で活性酸素を発生させると細胞は少し縮みます。少し丸くなります。それからここでこの細胞は髭のようなものを出すのですね。私たちはこういうことを何度も見てどうのようなことが起こっているか経験からよくわかります。次にこの培養液に水素を溶かしこんで同じように活性酸素を発生させました。この場合は、こういった髭があまり出ませんし細胞も縮んでこなかったのですね。この写真を見て私は一瞬のうちに水素の効果を実感しました。これはすごい効果があるのだ。これは実験を始めた最初の実験です。私の頭の中では水素の効果というものがこの結果から実感できたのです。実はこの実験結果がでた日に水素の効果はすばらしいことがまちがいないということで、室田さんと乾杯しましたね。しかし私が実感するということと、人が納得するということは全く別問題です。そこから他の人が納得させるには大変な労力と時間を研究をつぎ込んだわけです。もちろん研究室のメンバーはものすごい努力をしたわけです。

 その結果、昨年の5月に各新聞社が報道しましたように水素の抗酸化作用というものがネイチャー・メディシンという学術雑誌に掲載されました。このネイチャー・メディシンと学術雑誌は1年に12回しか発行されませんで、一回に論文は4~5報くらいしか出ません。そのくらい掲載されるのが難しい雑誌です。逆に言いますと、われわれの研究がそれほどすばらしいということが世界の医学界で認められた瞬間なわけです。ここでは、各新聞で報道された抜粋を示します。NHKのおはよう日本でもトップニュースとして紹介していただきました。

 ここで活性酸素のお話に戻ります。行きつ戻りつで申し訳ありません。これから、ちょっと詳しい話になるかと思います。活性酸素という名前を聞いたことのある人は多いと思います。しかし活性酸素とは何だというとよくわからないという方が大部分ではないかと思います。ここで活性酸素というのは一つの物質でなくていくつかの物質の仲間の名前だということです。酸素と電子が結合した物質、これはスーパーオキシドという活性酸素です。それからもうひとつ電子を吸うと過酸化水素という活性酸素になります。それからもうひとつ電子が入りますとヒドロキシルラジカルという物質になります。活性酸素というと体にすべて悪いと昔は理解されていたのですが、最近になって活性酸素も体の中で重要な役割をしているということがわかってきました。特に過酸化水素やスーパーオキシドは体の中で情報を伝える役割をしているということがわかったわけです。そうしますと、このような重要な役割をしている活性酸素も全部除いてしまったら体の中にいろいろな支障ができるということが想像できる訳です。ところが水素はこういった体に重要な活性酸素は消去しない、還元しないで最も毒性の強いものだけを消去するということがわかったわけです。

 ですから水素が還元力があるよということだけではもちろんネイチャー・メディシンには載らないわけです。今まで抗酸化物質といわれるものは体の中で必要なものも全部消去してしまったわけですけれど、そうではなくて、水素は悪いものだけを消去することができるということが明らかになったということが重要な第一点です。水素が還元しないほかの活性酸素はここに書いてありますけれども、血管拡張とか、神経伝達とか、血管の新生、精子の形成、がんの防御、免疫、細菌の侵入の防御とかこういったことに役だっているわけです。ところがヒドロキシルラジカルというのは悪さをする一方ですのでそれを除くというのが非常に大事になってきます。実際にそういったことがわかるというのはどういう風にしてやるのかということを少し説明します。ここで、これが一個の細胞です。ここでヒドロキシラジカルを発生させた時に緑色に見えるように特殊な方法でします。私たちもできるだけ多くの人に理解していただくためには、わかりやすいということがとても大事だと思っています。難しいことをできるだけわかりやすくする、というのが我々の一つの役割です。ところが水素が入っている培養液で生かしている細胞では、この緑色が少なくなっています。特に大事なのが遺伝子が入っている核、ここのところの緑色がなくなっています。ということは水素が核にあるヒドロキシルラジカルを消去した、ヒドロキシルラジカルは遺伝子に傷をつけるので、水素は遺伝子をきちんと守っているということがこれで証明できたことになります。つまりこういう実験によっていろいろなことが、わかってくるわけです。

 それからここでヒドロキシルラジカルを発生させて細胞が死んでいく様子をお見せします。生きているか、死んでいるかということは顕微鏡写真を見ると我々はわかるのですが一般の方にはなかなか分かりにくいので、分かりやすくする工夫をします。赤いのが死んでいる細胞、緑が生きている細胞です。ところがこれはずっと同じ時間で動いているのですけれど、水素を含んだ培養液ですと同じ条件でもほとんど死んでいない、つまり赤色にならないのですね。水素はこのくらい細胞を守っているということです。これが一時間後の結果です。左のビデオが水素がない時、右のビデオが水素があったときです。例えていうなら、人間の一生を一時間に短縮してビデオを撮影して十秒間にスピードアップしてお見せしたというわけです。そうすると水素の効果はこれくらいあるということがよりわかると思います。ですから細胞の中で水素はヒドロキシルラジカルを消去して細胞を守ってくれるということを分かりやすく示した図になるわけです。

 それからもうひとつの水素の特徴は、水素が非常に効果的であるということです。先程お話したように、一番に選択的に還元するというのが水素の特徴の第一点、第二点は非常に効果があるということです。普通の物質というのは水に溶けるか、油に溶けるか、ふつう二種類に分かれます。水と油、よく言われますね。たとえばビタミンAなどは油に溶けますね、ビタミンCなどは水に溶けます。抗酸化ということを考えるとこれは我々の体にとっては非常に都合が悪いのです。なぜかというと、私たちの細胞を絵にしたわけですけれど、細胞の外側というものは油で囲まれていて、細胞の中というものは水なのです。そうしますと油性のビタミンですとどうなるかというと、細胞膜の油でトラップされて細胞の内部の水の場所には入っていきません。それから水溶性のものですと、膜を通過することができません。ということはせっかくたくさんいろいろな抗酸化物質をとっても細胞の大事なところには到達しないということなのです。一方で細胞内部にまで効果的に到達する抗酸化物質を作ろうという研究もたくさん行われています。ところが水素は水にも溶けるし油にも溶けるという性質があります。つまり、水に溶けるということは、水の分子の隙間に入り込むことができる、油に溶けるということは油の分子の隙間に入り込んでしまうということです。従いまして水にも油にも溶ける、そうしますと水素は膜を通過して水にとけ、活性酸素を発生するところをきちんと到達してくれる。これは別の実験でミトコンドリアに到達する、あるいは核に到達する、いろいろな細胞の部分に到達していることを実際に証明しています。つまり水素は細胞の隅々まで到達してくれるために非常に効果的である、ということを示しているわけです。

 つまりまとめますと水素は抗酸化作用がある。それでは別にほかの抗酸化物質を取ったらよいではないかというと、水素はほかの抗酸化物質と違う性質があるのだということです。一つは選択的還元性、生体に必要な活性酸素は消去しないということです。もう一つは早い拡散性、生体膜を通過して早い時間で細胞の隅々にまで到達することができるということです。もう一つの特徴は活性酸素(ヒドロキシルラジカル)を消去した後は水になるということで、無毒である、ということです。これも水素の大きな特徴であります。従いまして水素が我々の健康に重要であるということを期待させてくれるわけです。ここは、昨年の五月二十日に新聞報道されました朝日新聞の日曜版の一部なのですが、「いまさら聞けない活性酸素」という記事を書いてくれました。悪役イメージが強いが、生命に不可欠、と書かれています。今まで活性酸素というものは全部悪役だと思っていたら実はそうではないのだということを強調してくれたわけです。私たちの実験は今までの常識を変えたという研究だと自負しております。

 では本当に水素の効果というのはあるのだろうかということを証明するために、もっとわかりやすくするためには最初にガスを吸わせるという実験をします。まず、ネズミに麻酔をかけて水素ガスと酸素と麻酔ガスを吸わせるわけですね。それから実験としては脳梗塞を起こさせてやります。足のほうからナイロン糸をずっと入れてやりまして、脳の中大動脈とういうところをふさいでやる。血液が止まります。90分たったら糸を抜くということをやって活性酸素を発生させることができるというわけです。血流をとめて血流を再開させますと活性酸素は発生します。まず水素ガスを吸わせたら本当に体の中に入っていくのだろうか、ということを調べてみます。結果はちゃんと水素が体内に入っていくということが証明されました。そういうことがとても大事なのですね。入っていくだろうではなくて、入っていったということを一つ一つ証明していくのです。大変時間がかかりますけれど、そういうことをやって始めて信用が出来る結果がで得られることになるのです。この左の図は脳の切片、スライスですが、脳梗塞を起こしますと白い部分、死んだ部分が増えてきます。この白い所が神経が死んだところです。ところが水素ガスを2%吸わせますと、このように白い部分が少なくなって良くなっているということが分かります。非常に大きな効果があるということがわかります。水素は培養細胞で抗酸化作用があるということばかりでなく、動物実験でも非常に効果的であるということをこの実験は示しています。しかもこれは抗酸化物質として薬品として市販されているものよりも効果があったということです。

 さらに研究の上では大事なことは一つの研究室だけではなくていろいろな研究室で追試できるということです。客観性があるということです。この一年の間に水素ガスの効果についていろいろな大学で追試がなされ論文が発表されました。今日パネリストとして参加なさいます慶応大学の林田先生のグループが水素ガスの効果についてもうすでに論文を発表しています。中国では上海のグループが論文を発表しています。それからピッツバーグ大学からはもうすぐ論文が出るという予定になっております。というように一つの研究室ばかりではなくいろいろな研究室から同じような結果が出るということが大事なことで、この結果をもって私たちの研究は正しかったということがいえるわけです。なかなか研究の世界は厳しくてそこまでいかないと本当だと理解されないのですけれど、われわれの結果は本当だったと世界から認められたと言っていいと思います。また、日本医大の眼科グループは今もうひとつ論文を作成中であります。

 次に今度は水素水を飲ませた時はどうかという実験のお話をします。皆さんもここに興味があると思います。これはどうしてかといいますと先ほど水素を吸わせる実験をしたわけですけれど、いつもマスクをもってガスを吸うという訳にはなかなかいきません。手軽に水素を体に取り入れるにはやはり飲み物から取ったほうが簡単なのです。長続きもするわけです。毎日水を飲むのでしたら簡単なわけです。

 実際に水素水を飲んだ後に体内に水素が入るかというと、飲んだ後に呼気を図ってその中に水素が出るかどうかということを調べる、そうすると、ちゃんと水素があることが検出できる。ということは水素を水に溶かして飲んだ場合に体の中にちゃんと取り入れられるということです。それからこれは人間ではできませんけれども、ちょっと野蛮な実験となりますけれど、針の中に内蔵した特殊な水素検出器を作りました。肝臓にぶすりと刺したり、筋肉にぶすりと刺したり、心臓にぶすりと刺したりして、水素水を飲ませると、ちゃんと肝臓にも水素がその臓器に入ってくるというのがわかりました。ということから水素水を飲めばちゃんと体中に水素が取り入れられる、取り込まれるということが証明できたわけです。

 それからこれからは専門的な結果をグラフで示しますので、ちょっとがまんして見ていただきたいのですけれども、ネズミに水素水を飲ませたらどんなことが起こるのかということを調べます。体の中の酸化状態がどうか調べてみますと、水素水を飲ませたほうが低下していることがわかります、ということは、水素水を飲めば一か月もすればちゃんと過剰な酸化状態が良くなるというわけです。

 それからもうひとつ、活性酸素によって生じる病気の一つに動脈硬化という病気があります。動脈硬化というのは血液の中に含まれるLDLコレステロールというものが酸化してそれが取り込まれて、動脈硬化になるというものです。これも最初は人間ではなかなか実験ができませんので動脈硬化になりやすいネズミを使って実験をするわけです。ずっと水素水をのませるわけです。半年間ずっと飲ませ続けるというのは実はこれは大変な実験です。水素というのは抜けやすいという性質がありますので毎日毎日新しい水素水と換えるのですね。ですから半年間毎日毎日取り換えるというのが最低限必要になります。そうしますと水素水でない水、脱気水を飲んでいた場合は動脈硬化ができますが水素水を飲ませたマウスでは動脈硬化が非常に小さくなっているということがわかります。対照実験として脱気水を使っていますが、どうして脱気水なのでしょう。研究というものはどのくらい厳密にしなければならないかを示す例で、片方は水素水を飲ませて、片方は水道水を飲ませたら、これはいけないのですね。ひょっとしたら水道水の中に含まれている何かが影響するのかもしれない、それで水素水を用意して、水素水からまた水素を抜くのですね。それを飲ませて、水素水とどう違うのかということを比較する。そうすればその二つを比較して見ると他の条件は全く同じでただ一つ違うのは水素があるかないかだけです。違いがあれば、水素の効果だということがわかるわけです。ネズミもほとんど兄弟のようなもので、生活環境も同じだし遺伝的にもほとんど同じというものを使っていますので、水素の効果というものがよくわかるわけです。

 それからもうひとつ、お母さんネズミに飲ませた時にどうなるか、赤ちゃんが産まれるかどうかとこういう実験もしました。これも遺伝子が変化したネズミ同士を掛け合わせてやりますと、水素水を飲ませない方(脱気水ですね)を飲ませたほうは、遺伝子変異のあるネズミが生まれない。これは活性酸素ヒドロキシラジカルが生じるようなマウスです。しかし水素水を飲ませたほうは、よく生まれるようになりましたので、これはお母さん、親のマウスが水素水を飲むようになると活性酸素で生まれなくなっていたネズミの赤ちゃんがよく生まれるようになるということを示しています。こういったいろいろなことが実験からわかります。

 先ほども私たちの研究グループだけでなくいろいろな研究室で研究をすることが大事だということを言いました。これは京都府立医科大学の梶山先生たちのグループが今年の三月に出した論文の一部です。境界型糖尿病患者に水素水を毎日一リットルほど飲ませると、境界型糖尿病患者の全例が改善して六例中四例が正常化したという報告。これは、人間に対して、飲ませた結果です。そのほか酸化ストレスの軽減等も報告しております。

 それから最近のトピックについてお話します。先々週でしたか、読売新聞で報道されまして、ヤフーの一面に出まして、ご覧になった方も非常に多いと思います。これは水素水を飲むことによって、ストレスによって低下する認知機能、記憶とか学習能力の低下を防いでくれるのだという論文です。これもネイーチャーパブリッシュグループのニューローサイコファーマコロジーという雑誌に掲載されたものです。

 このニューロサイコファーマコロジーという雑誌はこれも世界のトップジャーナルのひとつでありまして、薬理学、薬学関係で世界で200ほどあるわけですけれど、4番目に位置する雑誌です。学術雑誌というものは我々の業界では順位が付いております。200ある中で4番目に位置する雑誌ですからこれも審査が大変に厳しい、その厳しい審査を受けて確かにそうだと、いうことを認められて掲載されたものです。

 認知機能ということですが、脳は非常に酸素消費が多い器官でありまして、ストレスによって活性酸素の 発生が多くなるということがわかっています。これが7月1日に読売新聞に出た記事です。それからこれがヤフーの一面に水素水が来記憶力の低下を抑制することということで紹介されました。これはどういう実験かといいますと、ちょっとネズミがかわいそうなのですけれども一日10時間くらい狭い所に押し込めるのですね。動物愛護協会の人からしかられそうな実験です。毎週6日一日10時間くらい押し込めるわけです。これはマウスにとって非常なストレスになりますけれど、この間水を飲めるような状態にしておきます。この写真で上にあるのが水ですね。しかも水素が抜けないような装置を使って、右にあるのが水素水、片方は脱気水を使うのです。そうしますとグラフで分かりにくいかと思いますけれど、酸化ストレスが低くなるということを示したものです。HWというのはhydogen waterの略です。この結果は二つの方法で確かめました。

 それからネズミの記憶力ってどうやって測るのだろうということですが、これも3つの方法で測りました。一つの方法なのですがネズミは暗い所を好みます。暗い部屋と明るい部屋を用意してやりますと、すぐ暗い部屋に行くのですね。ところが暗い部屋に入ると電気ショックを与えるということをします。次の日に明るい部屋に入れますと、もしも記憶が残っていたら暗い部屋に入ったら電気ショックがくるということを覚えていますから、明るい部屋にずっといるわけです。ところが記憶力がない場合には本能に従って暗い部屋に行ってしまう。どのくらい明るい部屋にいるか、最後まで何匹とどまるかということで記憶力がわかる。

 それからネズミというのは好奇心が旺盛で あたらしい物体が好きなのですね。一日目に赤い物をおいて5分間くらいそこにあることを教えてやる。二日目には違う物体を置いてやる、そうすると前の物体を覚えていれば新しい物体を触ろうとする。このように触っているのですね。このようにネズミは頻繁に触ろうとする。もしも記憶力がなかったら右と左を同じくらい触るわけですね。そういうことから記憶力がわかる。

 それからプールをおよがせるという実験をします。実はこのビデオのこのへんに見えない陸地が作ってあるのですね。ネズミというのは実は泳ぐのが嫌いなのですね。ですからできるだけ早く陸地にたどりつこうとする。こちらは四日間教えるたマウスですが、もうたどり着いていますね。覚えているからもうたどり着いている。一日目のものはまだ到達していないのですね。教え込んで早く陸地に到達できたものは記憶力がいいし、到達できなかったものは記憶力が悪い、あるいは周りの状況がわからないと、認知機能が悪いということになるわけです。こういう練習をしてから、その陸地を取ってやるのですね、そうすると記憶しているネズミはその陸地があるはずだと一生懸命その場所を探すのですね。ここら辺にあったはずだ、ここら辺にあったはずだとぐるぐる回るのですね。記憶していないマウスは普通に泳いでいるのですね。というようにいくつかの方法によってネズミの記憶力を図ることができるわけです。水素を飲ませていたマウスは記憶力が悪くならない、ストレスを与ええることによって、記憶力が悪くなる、学習能力も低下する、周りの認知力も低下する。しかし水素水を飲ませたものは低下が防げたという結果なわけです。この結果がどのくらい人間に適応できるかということは今後研究していかなければいけないわけですけれど、まあ、マウスも人間も同じ哺乳類ですから、人間にも同じように効果があるのではないかな、と非常に楽観的に私は考えています。

 これは、どうしてそういうことが起きるのかということをさらに研究しますと、神経というものは我々、大人になっても一日一万個くらい増えているのですね。十万個くらい一日に死んでしまうからどんどん減っていくのですけれども。その神経細胞が増えるということが記憶力とかあるいはうつ病とかに関係することがわかってきましてどうも水素水を飲ませるとそれが低下しないということがわかってきました。そういうことで、水素は脳の活性酸素を低下させて、神経細胞の分裂を低下させないで、記憶力を保つのではないかという風に考えています。さらに研究を進めてどうして記憶力と水素水と関係があるのだということを研究を進めて人間でどのくらい適応できるのか、とくに認知症ですね、認知症の予防にどのくらい効果があるのかということをぜひ研究を進めたいと思っています。これが水素研究の現状でありますが、次に水素研究会のお話に進みたいと思います。

 水素研究会の目的とは、小林会長からいくつかお話をいただきましたけれども四つにまとめることができます。順序はどれが一番ということはないのですが、大きく分けて四つになります。

一つは水素関連医学の学術研究の推進。研究会ですからこれは当然のことです。どうして水素医学研究会ではなくて、水素研究会なのだと疑問に思われる方もいらっしゃるかもしれません。私たちは水素は人間だけでなく動物にも影響をあたえると考えています。ですからペットや、畜産業にも影響を与えると考えています。もうひとつは植物にも影響を与えると考えています。そうしますと、農業にも大きな影響を与えるという可能性もあるという大きな可能性を秘めているということで、水素医学とかでなく水素研究会としたわけです。

 二番目としては、学術医学研究の助成であります。これは新しい分野ですからなかなか研究費というものが取りにくい、実際研究するにはものすごいお金がかかるのですね。お金を取ってくるのに非常に苦労するわけです。若い人が研究費があることによって、あたらしい研究分野に飛び込んでくれればいいなあというように思います。これはすぐというわけにはいかないと思いますが将来的には助成ということを考えています。それから現実問題として、水素関連商品がいくつか出ていますので、どれくらい水素を含んでいるのだろうかということをきちんと測定して、情報を公開する、そして、おかしなものはおかしなものだという風にきちんと言っていくということが大事だと考えています。

 それからもう一つは啓蒙活動です。水素というものは何かということは、実はわかるようでなかなか分からないという声がたくさん聞こえます。そういう意味で水素というものはどういうものでどういうことをするのかはっきりさせようということで、啓蒙活動ということが水素研究会の一つの大きな目的であります。学術研究の場合にはメカニズムの解明、それから動物実験、臨床試験、この三つの研究を並行して進めることが必要です。さきほど荒木学長が臨床に使うためにはメカニズムがわからないと使えないとおっしゃって下さいました。水素もまさしくそうでありまして、信頼できる結果を得るためにはメカニズムの解明が必要です。どうしてこういう効果が起きるのかということは、原因をはっきりさせるということです。なぜかわからないけれど効果があるというのでは心配で仕方がありません。それから動物実験は臨床試験と同時に行わなければなりません。それはどうしてかというと、同じ条件下で調べることができるから、より明確な結果が得られることになるわけです。それからもちろん人間に対する効果を明らかにするということで臨床試験は不可欠であります。ただ現実問題としては非常にお金がかかるということですのでこういう助成を行っていくということが大事になってくるわけです。

 それから実は水素と名前の付いたものがいくつもあります。我々がここで言っている水素水というものは水素分子のことです。あるいは分子状水素というものです。このH2というものですね。あるいは水素ガスでも結構です。しかし同じ名前でも水素とくっつくものがいくつかあります。一つは水素イオンというものがあります。これは聞いたことがありますね。H+といわれるものでこれは酸性の原因です。ですから酸性の物は水素イオンがたくさん含まれているということですね。ですから水素イオンが健康にいい影響を及ぼすとはとても考えられないわけですが、これは存在するものです。

 それから活性水素H原子状水素と称するものがあると主張するかたがおられます。実際にはないのですが、存在すると主張するかたがいます。これは実は大いに問題があります。活性水素が実在するのは1500度Cでタングステン中に発生するというものです、あるいは放電によって発生するというものです。ですから世の中に存在しないと言うと言い過ぎだ、といわれるのですけれど、活性水素というものは生体の中に存在しえないものです。

 それからヒドリドイオンあるいはマイナス水素イオンと、こういったものが存在するという人がいます。これは、ナトリウムイオンとかカルシウムイオンとか金属イオンとかと直接結合しているときにはNaHやCaH2として存在しているのですが、我々の体の中ではヒドリドイオンあるいはマイナス水素イオンは存在しえないものです。ですから、我々の体で存在しえないものをあるはずだと主張するのは非常に困ったものです。私たちはそういうところの情報をきちんと発信して、水素というものは何であるか、本当に存在するものはどういうものかということを明確にしていくというのが私たちの役目の一つであろうと考えています。

 それから正統的な科学とニセ科学を区別するにはどうしたらよいですかとよく言われます。
これは割合答えは明確でありまして、学術論文にちゃんと載っていますかということで判断できます。想像だけで話されたものは本当かどうかわかりません。あるいはインターネットに書かれているからと本当かどうかわかりません。学術論文というものはどういうものかということをご説明させていただきますけれども、学術雑誌には審査制度があります。審査員というものが三人くらいいてだれが審査員化わからないようにしてあります。厳しいことを言っても誰が言ったのかわからないので遠慮なく厳しいことが言えます。これがおかしいとか、あれがおかしいとか根掘り葉掘り書いてやります。私も審査員をしょっちゅうやっています。あらさがしではないのですが、欠点をいっぱい書いてやります。そうしないとおかしな論文が出た時には審査員は何をやっていたのだということになりますから、審査員も必死です。従いまして、学術論文というのは審査員がいるからちゃんとチェックしてくれる。それから英文の学術雑誌に出版された論文が信用できます。これは国際的な評価が得られるということでとても大事です。それから評価の高い学術雑誌に掲載されているということもとても大事です。というのは評価の高い雑誌ほど審査が厳しくなっているからです。なぜかと言うと研究者のほうは評価の高い雑誌に載せたいわけですから、たくさんの研究者から載せてくれと頼まれます。しかし載せる数は限られるわけですから。特にネイチャーメディシンのような高名な学術雑誌には世界中から乗せてほしいと論文がたくさん寄せられるわけです。しかし実際に載るのは非常に少なくなります。従いまして、審査が厳しくなるというわけです。それから私たちの研究室ばかりでなく複数の研究室で確認されたのだということをお話しましたけれど、複数の研究室から学術誌に発表されるということもとても大事です。これによって再現性が確認されて、結果が普遍化されるからです。というように水素については私たちの研究室から評価の高い学術雑誌に次々と出しているわけですから、ほかの方々からもどんどん学術誌に論文を出していただいて、信用を得るという風に考えています。

 最後に水素は安全かということをお話します。前にもお話しましたように水素は穏やかな還元性を示して、代謝系を乱さないということ、それと必要な活性酸素は消去しないということから安全であると考えられます。それから実は水素ガスは潜水病の予防と治療に実際に使われているという実績がありまして、長年の医学研究によって安全性が確認されています。さらに、燃えたりするのではないか、爆発したりするのではないかと心配する人が非常に多いのですが、5%以下でしたらマッチで火をつけても水素は燃えませんし、爆発もしません。570度C以下でしたら発火もしませんので、そんなに心配するほどでないということがいえます。そういう意味で水素は安全な物質ですのでこれからも積極的に私たちの体内に入れることによって治療にあたったり、あるいは健康の増進に役立つという可能性を秘めているわけです。

 今後研究を進めていくあるいは正しい情報を発信することによって、水素が我々の生活により良い効果を与えるということを期待したいと思います。ご静聴ありがとうございました。



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